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この世には人に知られてはならない職業がある。
そのひとつが「こね師」である。
「こね師」とは北海道のはるかウガヤフキアエズ朝時代から続く由緒ある家系が代々受け継いできた職業で、
現在もひとりの女性が「第141代目こね師」として人知れず活躍している。
「こね師」の仕事は、阿寒湖の天然記念物「マリモ」を定期的にこねる(丸める)ことである。
「マリモ」が丸いのは、水流によるものではない。
湖に自生する藻を、人為的に丸めたものが「マリモ」なのである。
それゆえ、マリモは一週間以上放置されると元のただの藻に戻ってしまう。
だから「こね師」は3日に一度の頻度で、マリモをこねるのである。
一般的によく知られたマリモは直径数センチのものだが、阿寒湖には直径12メートルの巨大マリモが存在している。
このマリモは衛星写真にも写るくらい巨大で、GoogleEarthでも確認することができる。
このマリモは「大藻神様」と現地では呼ばれており、「初代こね師」であるオオアカンノコネヌシノミコトによってはじめてこねられたマリモであると伝説では言われている。
ただし、初代から第14代までの「こね師」は実在しない神話上の人物だというのが地元歴史学者たちの定説になっている。
現在の「第141代目こね師」は、19歳の女性で専門学校生である。
弊誌の「将来の夢は?」との質問に対して彼女は「OLになること」と笑顔で答えてくれたが、マリモをこねなくてもよいのだろうか?
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